最近、東京へ行くたびに思うのはJR線各駅で駅員さんが「電車が通過いたしますお気をつけくださーい」というアナウンスをしますが、それがアナウンスと言うよりは祈りにだんだん近くなっているなっていると言うことです。
そんな殺伐とした東京で行われた血の通った暖かいイベント「律&あみこ の怪しい夜」は阿佐ヶ谷の野菜は店長がすべて畑で作ったものを出されるというオーガニックなお店バルト(バルトの店長ブログへ)で2月1日に行われました。坂本龍一氏の編曲などを手がけたこともある高橋悠治氏の公演での舞台監督を務められたり、「ひめゆり」実体験生存者の方々の声を後生へ残すための活動等をなさっている、田川律氏(写真左は律翁)と変幻自在な歌とピアノ奏者を聞かせてくれる吉村安見子氏の両氏によるパフォーマンスは、林光氏の"大きな島の翼"という作品の田川律氏による詩の朗読の中にあった「けものに、人に、草に平和を」と言う一節に象徴される本来の意味での1960年代のカウンターカルチャーを彷彿とさせるものでした。
また、律翁といえばいつも楽しみなのが彼の自作料理です。その日の賄い?は「鱈のブイヤベース」(写真右は自作「鱈のブイヤベース」を賄う律翁)でした。こんな美味いブイヤベースを未だ私は食したことがありません。特に中に入っていたジャガイモとニンジンの味わいは贅沢とも言える本来の野菜が持つ旨味を再発見できる貴重なものでした。
楽しい賄いの時間を挟み、イベントは第二部へ移ります。吉村安見子氏による演奏で、モーツァルトが母を亡くしたときに作曲し、その思いが色濃く反映されていると言われるピアノソナタイ短調K.310(モーツァルト)を聞いて吉村安見子氏の懐の深さに感銘を受けました。(第一部で演奏された「しゃっくり」という楽曲も良かったですけど・・・)資料不足で一番肝のラスト曲は後日紹介するとして、ラスト前に演奏した曲は西岡恭蔵氏作曲KUROさん作詞で大塚まさじ氏が最初に演奏したというブルースを披露してくれました。この時Bob Dylan顔負け?の田川律氏の歌声を聞けたことは私にとってこの日の大きな収穫でもありました。
そして、田川さんより「皆生きな、あかんでー」と同氏の人柄溢れる暖かいメッセージ。
「何はともあれ、生きていこう」そんな風に勇気づけられる有意義なイベントでした。また、高校時代にJohn Cage等と共に聞いていた高橋悠治氏の音楽との再会、田川さんとその昔一緒にお会いさせていただいた西岡恭蔵氏やKUROさん。そんなことが走馬燈のように思い浮かんだ一日でした。
田川さん御招待いただき、本当にありがとうございました。
Archive for the ‘music’ Category
阿佐ヶ谷の「律&あみこ の怪しい夜」
ちゃーりー’ず あねくどーと "Charlie’s anecdote"
本日は、私が知らなかった「マジ!?」という感じの逸話"anecdote"を見つけたのでご紹介します。
チャーリーというのは、勿論The Rolling StonesのMr. Charles Robert “Charlie” Wattsのことです。1980年代半ばオールナイトのパーティー後Mick Jagger氏がCharlie Watts氏がその時に泊まっていたホテルの部屋に朝早く電話して「俺のドラマーはどこだ!?」と宣った後、ホテルのロビーでCharlie Watts氏はMick Jagger氏に会い「金輪際俺のことをおまえのドラマーと言うな!!おまえこそ俺の歌うたいだ!!」と殴りつけたというのです。(原文は"Don’t ever call me your drummer again. You’re my XXXXing singer!")
げに恐ろしや・・・ そんなやつはおらんやろ。貴男だけです世界中でそんなんしはる人。
1980年半ばといえば、1941年生まれのCharlie Watts氏は当時40歳代半ばだったはずですので、エー大人ですわ。
しかし、わからんバンドですこのThe Rolling Stones。この様なことがあったのにもかかわらず、その後首になったのはBill Wyman氏・・・
まぁ、ちょっと苦しいかも知れませんが、良心的解釈をすればこの様な気骨のある人?が縁の下の力持ちとして存在するが故にこのThe Rolling Stonesと言うバンド45年たった今も転がり続けているのかと・・・いう事にしておきたいと思います。
私は、カブスカウトでした
はい私は、カブスカウトでした。
毎集会で、以下の「やくそく」と「さだめ」を唱和していましたし、
集会の終わりには「いつもげーんき!!」と元気いっぱいでした。
(今も、元気ですが^_^;)
「やくそく」
ぼくは まじめにしっかりやります。
カブ隊のさだめを守ります。
「さだめ」
カブスカウトは すなおであります。
カブスカウトは 自分のことを自分でします。
カブスカウトは たがいに助けあいます。
カブスカウトは おさないものをいたわります。
カブスカウトは すすんでよいことをします。
「スカウト標語」
いつも元気
ということで、本日はまさにこの「やくそく」と「さだめ」を音で具現化した
最近のお気に入りピカイチバンドその名もずばり
"I Was a Cub Scout"
「私は、カブスカウトでした」
と言う名前のイギリスはNottingham出身のバンドを元気いっぱいにご紹介したいと思います。
ビデオでご紹介するのは"Our Smallest Adventures"
"oh i believe
we could be complete
i’ll take these times
for what it feel their worth"
「僕は、信じてるよ私たちが完璧になれることを
僕はそれを実現するために価値があると感じる時間をすごすんだ」
何という、シンプルで共感を持てるメッセージでしょうか!?
少年時代という、最もピュアで感受性豊かな頃を彷彿とさせる彼らのサウンド、これはある意味で時代の最先端を行ったコンセプトだと確信しますし、ユニークと言えばこんなに独自性のある音楽はここのところ無かったのでは!?
小難しいことは抜きで、彼らのピュアな心意気を是非体験下さい。
えもしライブホームページ更新"Emoshi Live"2008
えもしライブのホームページを更新しています。"えもしライブ"って何?という方から、昨年のえもしのサウンドってどんなんだったの?と言う方まで、是非ご訪問下さい。
さて、いよい今年も、"えもしライブ"まで、残すところ3週間となりました。出演者一同武者震いを感じ始める頃かと思います。
今年の"えもしライブ"は、昨年の"えもしライブ"では、無かった新バンド"Maiden Voyage"も加わり昨年デビューした"Crown"と、ともに若々しい力漲ったサウンドをお届けします。一方で、「若いパワーには負けておれん」と熟練ミュージシャン達は腕を磨いて本番に臨みます。
さて、どのようなライブになるか!?
乞うご期待です。
皆さん、是非お誘い合わせの上"えもしライブ"を楽しみに来てください。
今年悲しかった事
心そして
"Luciano Pavarotti"
ルチアーノ・パヴァロッティ
が亡くなった事です。
トリノオリンピックで日本人選手として唯一金メダル獲得した、荒川静香選手が演じたそのバックで流れていた曲は奇しくも開会式で同氏が熱唱した「トゥーランドット」Turandot: "Nessun dorma!"
であったことは今でも記憶に新しいところですが、いまだに私はあの感動の金メダルが荒川静香選手とパヴァロッティ二人によるコラボレーションだったと信じて止みません。
そして、ビデオはLou ReedとLuciano Pavarottiが共演でLou Reedの美しく辛辣なバラード"Perfect Day"と云う曲を二人が共演した2001年のコンサート。私は、この映像を見たとき「えっ」、と思ったものです。なぜならLouは、"Rock & Roll Heart "と云う彼の名曲で"I don’t like opera and I don’t like ballet"と冒頭に歌っているからです。まぁ、これはLouらいしといえばそれで片付く話なのかも知れませんが・・・
パヴァロッティは、そんな「スリーコードでしか曲を作れない」(そう言えば、そのことに関して「それは、誤解だちゃんとSweet Janeでも4つのコードを使っている。」と、ブラックな弁解を日本でのコンサート時ステージ上でしていたのを思い出します。」)と揶揄されていたLouの本来の姿、そして、彼の本質を知っていて察する事のできる人だったんだなと。何よりも、美しメロディーのなんたるかをジャンルを問わず識別できる人だったのです。
心とパヴァロッティの死。少なくとも体型的には全く逆ではありますが、何か近いところに二人は逝ったんだなぁ、そんな気がした年の瀬でした。
ご冥福お祈りします。