2007年03月07日

::Aesthetic Sounds::Volume2

"Blue In Green" By Miles Davis

Album:"Kind of Blue"
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"Kind of Blue"をどのように日本語に訳するか?ずいぶん考えました。今風にいえば「ブルーな感じー」とすればそれで、通用してしまうのでしょうけれど、違いますよね(^_^;)  私は、アルバム全体の流れからして、「唯ぼんやりとした不安」がもっとも相応しいのではないかと考えました。そうです。あの芥川龍之介が、彼の遺書に著した「唯ぼんやりとした不安」です。それだけ、重たい題目をここでMilesが掲げた理由は?その理由を見いだすことができるのが、今回の"Blue In Green"と云う数あるJazzのバラードの中で、最も超然とした美しさと崇高な輝きを放つ曲ではないかと。

"Blue In Green"これも、日本語にするのが難しいですよね。「緑の中の青」本当はこのようにただ単に色彩表現なのかも知れません。しかし、聞けば聞くほどイメージが脹らんでいくのもこの曲の偉大なところです。

私なりの解釈では、明らかにGreenは、嫉み・妬み即ち嫉妬、或いは猜疑心を表す色です。その状況下にあるBlue即ち憂鬱。要は、万人が人である限り持つ闇の部分。人が自制心を失う動機付けの代表格。しかもそれは確たるものではなく漠然とした思いこみであったり妄想であったりと、得体の知れない化け物のようなものです。"Blue In Green"とはその理不尽のお化けと戦い、もがき、勝利する見込みもなく苦悩に溺れた状態なわけです。

勿論、私はMilesがこの状態を"Blue In Green"で表現していると言っているのではありません。全くその逆で、得体の知れない化け物や理不尽のお化けと正面から対峙しているのです。言葉の持つ言霊をしても浄化困難な醜い感情を音楽であるが故に在る魂で平静を人々に齎す事こそがこの曲の真意であると私は確信しています。

コンセプトメーカーとしてこの様な究極のリーダーシップを実現したMilesに対して、集結したメンバーたちは珠玉のアンサンブルで応えたのは当然の帰結だったのでしょう。未だに聞くたびにJimmy Cobbのブラシワークには戦慄を覚えますし、Bill Evansも本当にこの曲が好きに違いありません。でなければ、彼自身の最高傑作"Portrait in Jazz"で、"Blue In Green"take2とかtake3とか収録しないですよね・・・?


時を重ねると共にその存在がより深く醸成されていく・・・・ "Kind of Blue"は言葉では尽くせないそんな奥行きのある作品です。機会があれば他の曲についても触れたいと思います。 いやー お世話になってます。"Kind of Blue" 
そして、これからも。

投稿者 applevenus : 22:41 | コメント (0) | トラックバック

2007年02月24日

::Aesthetic Sounds::Volume1

"You're Gonna Make Me Lonesome When You Go" By Bob Dylan

Album:"Blood On The Tracks"
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考えてみれば、音楽だけは何があろうとかわらず継続的に聞いてきました。しかしながら、最近の新しい音楽を聴いて感銘を受ける事は稀にしかありません。そこで、ジャンルを問わず私が聞いて来た、そして、その素晴らしさを再発見した音楽をみんさんと分かち合えるように、温故知新を目的として ::Aesthetic Sounds:: をボチボチやって行きたいと思います。 その記念すべきVolume1は、Bob Dylanによる" You're Gonna Make Me Lonesome When You Go"です。この曲との出会いは、実はBob Dylanのオリジナルではなく、Ben Wattと言う人がCherry RedレーベルというLondonを拠点としたレーベルから1983年にリリースした"North Marine Drive"というアルバムでオリジナル曲をボサノバ風にアレンジしたものを聞いたのが始めての出会いでした。 今にして思えば、イギリス人であるBen Wattが、アメリカ人(ユダヤ人)であるBob Dylanの名曲" You're Gonna Make Me Lonesome When You Go"を教えてくれたという事になります。当時Bob Dylanは、知っていましたが、" You're Gonna Make Me Lonesome When You Go"という曲は知りませんでしたし、引いては時代を超えた不朽の名作Bob Dylanによる" Blood On The Tracks"をも知らなかったのです。 私にとっては、Bob Dylanの" Blood On The Tracks"との出会いのきっかけという意味でとても大きな意味を持った、そして切なくも儚い大事な曲です。恋人との気持ちの行き違いを詩人ヴェルレーヌとランボーの関係で比喩するところなどは、いかにも吟遊詩人Bob Dylan Thomas(おっと、これは彼自身否定したり肯定したりですが・・・)ですね。

投稿者 applevenus : 14:03 | コメント (0) | トラックバック