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五十路の迎え方 → Paul Wellerの場合

07 6月

2008年6月7日8:24 AM

paul weller 22 Dreams明日で四捨五入すると50歳になります。そこで、つい最近五十路に突入したMr.Paul Wellerがほぼ彼の誕生日と同じタイミングでリリースした新作"22 Dreams"icon及び改装オープンした彼の"official Paul Weller website"等の同氏動向をお知らせすると同時に、五十路の迎え方について考えました。
まずは、アルバムのデザインの真ん中に鯉のぼりを配した新作"22 Dreams"iconについてですが、第一印象としては「この人は一人でホワイトアルバムを創ってしまった!!」と言う驚きでした。ホワイトアルバムと言うのは勿論The Beatlesのあのホワイトアルバムのことです。重要なポイントは通称ホワイトアルバムで知られているこのアルバムの本来のタイトルは"The Beatles"であるということです。 Mr. Ringo Starr以外の三人が愛用していたEpiphone Casinoを使用しているミュージシャンというのは基本的に根っからのThe Beatlesマニアである訳ですが、このMr.Paul Wellerも例外ではありません。
収録された曲数は昔で言うところの2枚組レコード並の(ホワイトアルバムは2枚組のレコードで収録曲数は30曲でしたが・・・)21曲であることは勿論、特に象徴的であると思ったのが最後の楽曲"Night Lights"でした。この楽曲はMr. John Lennonの"Revolution9"にあるアバンギャルド精神、Mr. Paul McCartneyの"Good Night"にある安らぎ、そして、Mr. George Harrisonのインドエッセンスが紡がれた、もし3人のメロディーメーカー達がホワイトアルバムを共作で最後の曲を締めくくっていたらこうなるであろうと思わせる"Night Lights" → 「夜の星」 → 「宇宙」をモチーフとした仕上がりとなっています。
この作品の中で特に"All I Wanna Do (Is Be With You)"iconはMr.Paul Weller自身が今まで積み重ねてきた事への誇りを感じることが出来る素晴らしい楽曲です。
そして、暫く工事中だった彼のオフィシャルサイトは、The Jam時代から始まる彼の情報が整理され且つインターアクティブな双方向性のコミュニケーションを重視した何回も訪問したくなるサイトに一新されています。


順風満帆に進んできたように見える彼の道のりは決して楽なものではありませんでした。我々の世代であれば誰しもがあの古のカフェバーで聴いたThe Style Councilですが、このThe Style Councilであまりに多くの音楽要素を取り入れたため彼は一時的に方向性を見失ってしまうというスランプに陥り一時的にではありますが、本国英国ではマイナーアーティスト扱いとなり業界から干された状態だったこともありました。
その様な中で、発表された彼のファーストソロアルバム"Paul Weller"は本国では契約が取れず日本のポニーキャニオンから発表されました。そして、このファーストソロアルバム"Paul Weller"は日本の根強い彼の支持者によって本国より高い評価を受ける事となったのでした。このアルバムは、後に本国イギリスでも契約がなされ発売されたのです。これを機に当時のイギリスではブリットポップが脚光を浴びていた等の追い風もあり、彼は再評価され本国においても再び尊敬を集める存在になったのです。
(この日本のリスナー達の熱心な支援を1つの切っ掛けとして、完全な復活を遂げた彼の思いがアルバムデザインの鯉のぼりに象徴されているのではないでしょうか?)
恐らく、既に人生の半分以上まで来てしまった今、私はMr.Paul Wellerの新作"22 Dreams"を聴き「人生の苦しい場面で協力して下さった人達に感謝しその恩義を忘れない」「日々の積み重ねを大切にし、且つ壮大なビジョンを持つ」等といった大切な事を五十路を迎えたMr.Paul Wellerに教えられました。
明日から五十路突入まで、この様な彼が持つ「気骨」を持ち生きていきます。

 
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