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唐突な感動

29 11月

2008年11月29日12:54 AM

岡本太郎氏の「明日の神話」普段は、足を向けない下北沢にて大塚まさじ氏が、ライブを行われると言うことだったので、JR渋谷から京王井の頭線へ乗り換えよう・・・と、したその瞬間。
不意を突かれた。
この岡本太郎氏の「明日の神話」については、私の中での記憶としては恥ずかしながら「彼の幻の超大作がメキシコの倉庫で発見される。」という5年前のニュースで止まっていた。
心の準備が全くない私は、あのピカソのゲルニカをも凌駕するであろうこの雄大な作品を目の当たりにし、1970年に開催された大阪万国博覧会場で小学校1年生だった私が、初めて太陽の塔を見た時以来の戦慄が頭の先から足の先まで駆け抜け、呆然と立ち尽くすばかりだった。
ここのところ、大塚まさじ氏のコンサートは、撮影機材を持ち込んでのコンサートばかりだったため、パフォーマンスを純粋に楽しみたいとずっと思っていたので、その思惑通り今回下北沢ラ・カーニャで行われたコンサートでは、同氏の心意気を思う存分楽しむことが出来た。
演奏合間のMCでは、最近丹波篠山界隈にある里山近くの人口30人ほどの村へ引っ越されたとのことで、「御陰様で、道を歩くと住人のお年寄りの方が『お裾分け』と言って野菜や果物をくれます。柿とか栗は売るほどありますし、自給自足の生活も夢ではありません。」また、「最近野菜の栽培も初め、知ったのは、霜が降りると駄目になってしまう野菜と、同じ野菜でも、霜が降りると食感がよくなるものがあるということです。」等、日常的に蔑ろにしてしまっている、本来在るべき人と人との繋がりや、自然との携わり方を示唆して下さった。
そして、首を長くして待った田川律さんの手によるこのコンサートを見に来た人たちにもれなくついてくる賄いの時間。
本日の賄いは、「チゲ鍋」。普通チゲ鍋と言えば激辛を連想するが、これがまた絶妙な味付け。本人曰く「万人向けや。」とのことだが、こんなに美味しい「チゲ鍋」には私は遭遇したことがない。
大塚まさじ氏が歌うのがフォークソングなら、田川律さんが創る料理はフォークフードだ。
コンサートを終えた後、ラ・カーニャから下北沢の駅まで残った食材のネギとか入った袋をぶら下げた田川律さんと本日初めてお会いした田川さんの奥さんと三人でぶらぶら歩いて、駅でお別れをした。
その後、再び「渋谷マークシティ」2階連絡通路で「明日の神話」の前に立ち尽くし、太陽の塔の燦然と金色に輝く「未来の顔」と、この「明日の神話」の両者を創造した岡本太郎氏がもった時空の概念、同時に平和という未だ持って私達が乗り越えることが出来ない大きく重大な課題を想った。
頭の中ではBob Dylanの"Blow In The Wind"が、流れていた。

 
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Posted in Art, music

 

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