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Archive for the ‘Web Standard’ Category

Discourage politics, use data.(政治力ではなくデータで語ること)

19 3月

20080318_WebKit.jpg

Acid3ブラウザテストでWebKit Nightlyが93/100を記録。

以前から気になっていた「グーグルの会議術」。
グーグルのMs.Marissa Mayerは、6つの成功する会議方法を掲げました。
(原文はこちら"How to Run a Meeting Like Google"
その中に、物事の判断基準として、最も核心的且つ重要な要素であると思われる"Discourage politics, use data."(政治力ではなくデータで語ること)という項目があります。

この様な、合理的な思想を如実に反映したその最たるものが、今私が一番注目している「Acid3ブラウザテスト」ではないかと思います。

ここで、Acid3ブラウザテストについて今一度確認しておきたいと思います。World Wide Web Consortium (W3C)はWWWで使用される各種技術の標準化を推進するために設立された非営利団体です。
(例えばHTML, XHTML, CSSなどの仕様を標準化しているわけです。)

Acid3ブラウザテストは、W3Cによって新たに各種技術が標準化された数多くの仕様をウェブブラウザがサポートしているか否かを検証するためのものです。そして、興味深い点はその検証方法が数値化されていると言うことです。従って、例えばXというブラウザが55%をスコアしたということは、与えられた100のテストの中で55%をXと言うブラウザはクリアしたということになります。

20080319_acid.jpg
そんな中で、3月19日現在ベータ版であるWebKit Nightly (r31114)は93%をスコアしました。
WebKitとは、オープンソース ウェブブラウザ エンジンであり、Mac OS XのSafariに使われているものです。(写真は93%をスコアしたWebKit Nightly (r31114)のAcid3ブラウザテスト結果)

未だ現時点では、100%に達したブラウザはありません。
しかし、ここ数日におけるWebKit Nightlyの動向を見る限り着実に日々そのスコアを伸ばしています。ここ数日中には100%を達成すると思われます。

このAcid3ブラウザテスト結果に関するデータが、将来的な観点から多くのWebに携わる人達にとって、ウェブブラウザに関する意志決定をする上で大切な拠り所となる数値結果となることは間違いありません。

 

これで完璧!?ブラウザ検証

13 3月

20080313_browsershots_00.jpg「もったいない」と思うのは、ブラウザ検証を行うために費やす時間です。しかし、現時点ではレンダリングエンジンの仕様が統一されていないのは現実であり、その問題を解決するために日々Webデザイナーの方々は様々なCSSハックを駆使して問題解消に追われているのが現状だと思います。
そのような状況下で、ある時自分が持っていないブラウザ環境で検証をする必要に迫られ、救いをmixiの某コミュへ求めたところ、教えていただいたのが「あなたのウェブデザインを違うブラウザで検証します」と言う謳い文句のBrowsershots(写真)サイトでした。写真を見てわかるように何と約60もの違うブラウザで自分の制作したサイトを検証できるという優れものです。
検証方法は簡単。自分が表示させたいブラウザをチェックするだけで、後はURLを"Enter your web address here"というところへ入力後Submitのボタンを押すだけです。
このサイトのサービスはとても便利なものですが、問題点としてあげられるのは以下の点です。
・時間がかかる
FTTHの環境で、通常は5分前後で、スクリーンショットの画像が表示されるが、場合によっては一件あたり30分以上かかることあり、従って選択するブラウザは少なめにするのが賢明 注意:€10 EUR または$15 USDをPayPalで支払った場合は優先的に処理が為されるという"Priority processing"というサービス有り)
・日本語に対応していないサービスである
(日本語のサイトを検証する場合はエンコーディングの環境に注意する必要あり)
この様な、問題があるにもかかわらずこのサービスは日々ブラウザ検証のために欠かせないツールの一つとなっています。
幸い、昨今の趨勢はWeb標準という考え方を基にこの様なブラウザ検証を必要としない方向へ向かいつつあります。「もったいない」と言う考え方は日本人がもともと大切にしてきた考え方です。この様な「もったいない」という考え方を大切にする草の根運動でもあるWeb標準という考え方が更に浸透し、より合理的なWeb制作が実現することを切望します。

 

Firefox 3 Beta 4 – 正式リリースを前に

11 3月

20080311_ff_bata4.jpg前回のFirefox 3 Beta 3リリースから1ヶ月も経たずに、Firefox 3 Beta 4がリリースされました。900以上のコミュニティーからのフィードバックによる改善が為されているとのことです。その内訳は、抜本的なメモリ処理能力の改善、安定性の改良、各プラットフォームとの親和性の改善、そして、ユーザインターフェイスの向上などが挙げられます。

参考記事:CNET Japan
Firefox 3 Beta 4がリリース–JavaScriptの処理速度、メモリ使用量を改善

Firefox 3 Beta 3リリース後実際に使用して便利だと思った機能は・・・

スマートブックマーク

・スマートブックマーク
<上の写真>
(アクセスした回数の多いページ、最近ブックマークしたページ、最近使用したタグを表示してくれる機能)

スターボタンクリック1回

スターボタンクリック2回

・スターボタン
<上の写真一枚目→スターボタンクリック1回、二枚目→スターボタンクリック2回>
(アドレスを表示するアドレスバーの右端に現れる星マークを1回クリックするとブックマークが可能となり、2回クリックすると、名前変更、カテゴライズ、削除の管理が出来る機能)

今回のFirefox 3 Beta 4で気になる機能

20080311_ff_bata4_lb.jpg

・ロケーション・バーとオートコンプリート
<上の写真>
(タイトル、アドレス、タグの一部を入力するだけで、該当する履歴とブックマークから探しているページマッチする所謂検索機能。頻度と最近訪れたサイトの結果が返される。)

・ACID 3テストクリアー、間近か?
(Firefox 3 Beta 3の時点よりもテスト結果は改善している様子。正式リリース時には、ACID 3テストクリアーが目標か?)

そして、何よりもFirefox 3 Beta 4をブラウジングして体感できるのが、その更に改善されたサクサク感である事を最後に御報告させていただきたいと思います。

正式版リリースが楽しみです。

 

IE8最初のベータ版リリース

06 3月

20080306_1st_ie8bata_00.jpg何と昨日のエントリーで、Web標準技術との互換性を重視したIE8がまもなくリリースされるという内容を御紹介したその翌日に、「IE8最初のベータ版リリース」のニュースが入ってきました。
えーと、どうしたものですかね・・・
現在私が使用しているVaioの環境は、Windows XP Service Pack 2 (SP2)でIE7がデフォルトで入っていて、IE6はスタンドアロンで検証しています。ここで更にIE8を検証するとなれば、やはりそろそろブート・キャンプをマックに入れてそこへOSインストールしてというのが一番良いと思うのですが、であればインストールするのはVistaかXPという選択肢です。
Check system requirementsで、Operating Systemを見ると、VistaとXP両方互換性はあるようですが、そう言えばVista値下げって話もあったしそろそろVIstaを使い始めるタイミングかと思ってます。
何れにしても、環境を早く整えブラウザの検証を行っていきたいと思います。

 

ついにその時は、やってくる。

05 3月
Internet Explorer 8は、ACID2のテストをクリア、且つ
Web標準レンダリング動作がデフォルトとなる

マイクロソフトさんは、今までWeb標準よりも旧Internet Explorerの互換性を重視すると主張されてきましたが、ここへ来て、IE6までとの互換性をもつ"Quirks"モードとIE 7との互換性を持つ"Standards"モードという今まであった2つのモードに加えWeb標準技術との親和性を更に強化した新たな"standards"モードを採用すると公式に発表されました。
Microsoft’s Interoperability Principles and IE8

この「過去の資産を重視すべき」という後方互換性と「これからのWeb標準技術を重視すべき」という前方互換性と言う両者のバランスをどうするかというのは、とても複雑な議論です。マイクロソフトさんがとてつもなく巨大な企業であること、且つInternet Exploreが今まで築き上げてきたシェアとその資産は膨大なものであるが故に、実際の開発レベルでの現状と趨勢などを身軽に反映させることが困難であるところにその複雑さは起因していると思われます。

そのような困難な状況下で、Web標準に準拠したブラウザーを開発するためにその準拠を検証するテストであるところのACID2をクリアーしたInternet Explorer 8がさらに新しいモードを採用し、Web標準技術との親和性を高めて行かれるという英断は素晴らしい前進であると思います。

このニュースは、私共にとって大変インパクトのあるニュースでした。なぜならば、これまで、Web標準が今後の趨勢として正しい道であると歩み続けて5年の年月が経っています。その考え方が、まもなくマジョリティーのものとなる事への重さを感じるからです。そして、同時にその後の流れを読むことの重要性を噛みしめるのでした。